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エズミ(EZUMi)は、2021年春夏ウィメンズコレクションを発表した

隈研吾の建築からインスパイア

エズミ 2021年春夏コレクション - 隈研吾の建築にヒント、“部分から全体へ”構築する服作り|写真43

今季のインスピレーション源となったのは、建築家隈研吾ビジュアルの撮影も、隈研吾が設計した「サニーヒルズ」を舞台に行われた

以前より建築に造詣の深いエズミのデザイナー江角泰俊が、隈研吾の建築や構造、デザインコンセプトをリサーチし、隈研吾本人と対談も実施“キシキシ”などのオノマトペを用いながら、まだ形になっていない概念やその土地、素材、技を組んで作り上げていく、隈研吾の“負ける建築”の構築の仕方からデザインのヒントを得た

その中で、「部分から全体」を構築していく隈研吾の建築へのアプローチをエズミの服作りのプロセスに反映襟という1パーツを起点に、服を構築していく試みを実践した

部分から全体へ、“襟”で構築するドレス

エズミ 2021年春夏コレクション - 隈研吾の建築にヒント、“部分から全体へ”構築する服作り|写真40

象徴的なのは、いくつもの襟を交差させるようにして組み上げたドレスだ全てのパーツはボタンによって固定されており、ボタンを外して解体していくと襟のパーツに戻る平面的な襟のパーツを組んでいくことで完成した1着の立体的なドレスは、ある種即興的な手法で作られたものだともいえるが、“部分から全体へ”のデザインプロセスを体現した、建築的な服だといえる

「サニーヒルズ」に用いられている建築技法の、木材を交差させて組んでいく「地獄組み」ともどこか呼応しているかのようだ

エズミ 2021年春夏コレクション - 隈研吾の建築にヒント、“部分から全体へ”構築する服作り|写真44

また、テーラードジャケットやチェスターコート、カーディガンの襟はボタンで取り外しが可能ノーカラーの上着として着用することができるまた、トレンチコートは、上下で“解体”し、それぞれショートジャケットとドレスとして、単体で着ることもできる

やたら編みからみ織など手工芸のディテール

エズミ 2021年春夏コレクション - 隈研吾の建築にヒント、“部分から全体へ”構築する服作り|写真27

建築とも相通ずる、手仕事の質感やクラフトマンシップを感じさせるデザインディテールにも注目だ竹細工の手法として用いられる「やたら編み」のレースは、ブラウスの袖やジャケットの袖口、襟にあしらわれ、温かみのある表情をプラス

エズミ 2021年春夏コレクション - 隈研吾の建築にヒント、“部分から全体へ”構築する服作り|写真9

“絡まる”という言葉に端を発する“からみ織”は民族調のドレスやブラウスにパネルで配し、ハシゴレースとともに繊細な柔らかさを添えたその他、マクラメレースのベルトや、フリンジを配したカットソーなどもまた、クラフトの手触りを感じさせるピースになっている

“木”を思わせるベージュや“葉”のグリーン

エズミ 2021年春夏コレクション - 隈研吾の建築にヒント、“部分から全体へ”構築する服作り|写真19

カラーパレットは、“木”を想起させるナチュラルなベージュや柔らかいホワイトを基調に、柔らかなコーラルピンクや“葉”のようなグリーンをプラスグリーンのギンガムチェック地で仕立てたスカートやブラウスは、よく見ると途中からボーダー柄と地続きになっており、アシンメトリーな仕立ても相まって視覚的な効果をもたらす

おなじみのサイドプリーツも

エズミ 2021年春夏コレクション - 隈研吾の建築にヒント、“部分から全体へ”構築する服作り|写真14

エズミの得意とするサイドプリーツのスカートやブラウスは、多彩なバリエーションで展開粗野な質感の表情豊かなリネンとつややかな化学繊維といった、対照的な素材を組み合わせたスカートやブラウス、パリッとリジッドな質感のデニムで全て仕立てたスカートなどが登場する柔らかな色彩のチェックプリーツを両サイドに配したドレスは、背中にクロスストラップをあしらい、センシュアルに仕上げた

尚、2021年春夏コレクションの発表にあたり、エズミは「マターポート(Matterport)」による3Dポートレイトショーをオンライン上で配信「サニーヒルズ」の建物内に佇むモデルを3Dで360°撮影し、映像で立体的に再現した映像の中の空間を歩いているかのような臨場感とともに、服の細部や建築の構造を見ることができる

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